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地方自治業界の同音異義語集!

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【この記事で分かること】

  • 地方自治業界の同音異義語
  • 「財調」の2つの意味
  • 「こうせん」の2つの意味
  • 「たいて」の2つの意味

皆さん、こんにちは!まゆの地方自治情報局(@mayumist_lg)です!

地方自治体というか、お役所業界全体に言えることかもしれませんが、長い専門用語が多く、それを短くした略語がよく使われています。

この略語、とても便利なのですが、一方でこのことが地方自治体における同音異義語を数多く作り出している面があります。

本日は、国と地方の両方で公務員を経験し、現在は地方自治体向けのコンサル業務にかかわる私・まゆが、地方自治体業界でよく見る同音異義語について、お話ししようと思います!

財調(ざいちょう)

まずはこの「財調」について、2つの略し方があるというお話です。

財調=財政調整基金

まずはこちら、どこの自治体にも一般的に置かれている、財政調整基金

自治体予算の単年度主義が取られている中、年度間の財源の不均衡を調整したり、あるいは不足の財政需要が発生したときの財源として活用したりするための、財政調整基金。

この基金を、「財調(ざいちょう)」と省略して呼ぶのは、財政課職員ならおなじみの光景でしょう。

財調=総務省自治財政局財務調査課

一方、総務省の中にいるときは、「財調」は違うニュアンスで使われることも多いです。

地方財政状況調査…通称「決算統計」や、財政健全化法に基づく健全化判断比率のの総括をしていたり、自治体財政の調査研究をしていたり、あるいは辺地債・過疎債の担当課でもあったり…

言うなれば、地方自治体のミクロの分析を担当しているのが、総務省自治財政局財務調査課。財務調査課長のほか、二人の財務調査官が配置され、自治体財政の運営状況に目配りをしています。

そんな「財務調査課」も、省略すると「財調」と呼ばれます。

まゆ
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2つの「財調」は、どちらも地方財政界隈で使われる言葉なので、「財調で財調の話をする」みたいなことが結構普通にあるんですよね。

こうせん(工専、公先)

続いて、「こうせん」という言葉について。

工専=工業専用地域

都市計画や、ハード整備事業を担当しているときに聞く「こうせん」という言葉は、一般的に「工業専用地域」の略であることが多いです。

工業専用地域とは、都市計画法が定める用途地域の1つで、工業の業務の利便性向上を図る地域。この地域には、住居を建設することができません。

ちなみに、似たような名称の用途地域に「工業地域」がありますが、こちらは住居は建てることが可能ではあるものの、基本的には工場を建てることが想定されているため、あまり住むのに適したエリアだとは言えません。

工専…すなわち工業専用地域は、そこよりさらに踏み込んで、住居を建てることすら認めていないエリアということになります。

工業専用地域は、主に臨海部の石油化学コンビナートや倉庫群があるところに設定されていることが多いですね。

公先=公共用地先行取得事業

続いて、こちらもハード系業界で使われる言葉ですが…

道路整備などの公共事業において、その円滑な実施のために、後年度に必要となることが見込まれる土地を先んじて取得する事業のことを、「公共用地先行取得事業」といいます。

この「公共用地先行取得事業」も、しばしば「公先」と略されることがあります。

自治体によっては、特別会計を設けて公共用地の先行取得を実施している場合もありますが、この特別会計も「公先会計」とか言われたりしますし…

また、地方債の1つ「公共用地等先行取得事業債」も「公先債(こうせんさい)」と略されたりします。

特に「公先債」は、平成10年〜20年代に取り組まれた土地開発公社の経営健全化対策を通じてご存じの方も多いかもしれませんね。

たいて(退手、タイテ)

続いて、「たいて」という言葉を見ていきます。こちらは、使われるシチュエーションが、大きく異なる2つの意味を持ちます。

退手=退職手当

職員が退職するときに支給される、民間企業で言うところの「退職金」に相当する手当が、退職手当です。

この退職手当のこと、地方自治体の人事・給与・財政関係部局にいる人たちは、「たいて」と略します

退職手当は、その支給の根拠となる条例が結構複雑な構成になっていたり、まとまった財政支出が必要になったりと、自治体運営に非常に大きな影響を及ぼす項目の1つですので、議論の俎上にも上がりやすく、「たいて」という略称も、多くの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。

ちなみに、退職手当については、年度間変動が大きく、小規模自治体などでは1団体で抱えきることが難しい場合もあるため、一部事務組合を作って負担金を積み立てるスキームで運用されている事例もありますが、この組合のことも「退手組合(たいてくみあい)」と略されたりしていますね。

タイテ=タイムテーブル

続いて、こちらは一転、地域のお祭りやイベントなどで使われる言葉になりますが…

イベントの1日の流れを、時刻ごとに示した表のことを、一般に「タイムテーブル」といいます。

これは別に地方自治用語でもなんでもなく、それこそ音楽イベントとかテレビ・ラジオ番組の収録の段取りを確認するときにも使われる、ごくごく一般的な用語ではあるのですが…

このタイムテーブルも、現場のイベント運営においては「タイテ」と略されています。

この「タイテ」、それこそ地方自治体で人事・給与・財政界隈で仕事をしてきた人にとっては、「退手=退職手当」という意識が強くすり込まれているので、そういった界隈から地域の現場に異動した人は、なかなか「タイテ=タイムテーブル」にモードチェンジできずに、戸惑っています。

一般的に、エリート扱いされる内部管理経験が長いことは、現場最前線ではよく思われなかったりすることも多いので、こういうときは

「いや〜、本庁ではタイテ=退職手当なんだよね〜」

みたいなことを言ったりすると、反感を買いがち。

黙って現場モードに切り替えて、地域の人たちと楽しく仕事をこなしていくことが重要です。

まとめ

以上、本日は、地方自治業界でしばしば目にする同音異義語についてお話しいたしました。

地方自治業界は、長い言葉を略すことが多く、略語由来の同音異義語がいろんなところで聞こえてきます

今回ご紹介した「財調」のように、同じ分野で使われる同音異義語もあれば、「たいて」のように、全く異なる分野で使われる同音異義語もあったりします。

いろんな行政分野を万遍なく経験すると、こういう同音異義語も、自然と頭が切り替わって意味を的確に把握できるようになりますが、慣れないうちは、この手の言葉に戸惑いがちですよね。

もし他にも興味深い同音異義語がありましたら、このページを更新して、適宜ご紹介していこうと思います!

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