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なぜ内部管理オンリーの職員は使えないのか?

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【この記事で分かること】

  • なぜ内部管理オンリーの職員は使えないのか
  • 内部管理オンリーの職員には、どのような問題があるか
  • 内部管理オンリー職員の、具体的な問題事例はあるか

皆さん、こんにちは!まゆの地方自治情報局(@mayumist_lg)です!

役所には、内部管理系の部署と、事業系の部署、そして窓口や住民と直に接するケースワーク系の部署など、実に様々な仕事があります。

そんな中でも、内部管理系の部署を中心に渡り歩いた職員は、エリートとか将来の幹部候補として、一目置かれがちです。

でも、そんな「内部管理系の部署ばかりを渡り歩いた職員」って、どこかバランス感覚の悪い職員が多い印象、ありませんか?

本日は、国と地方の両方で公務員を経験し、現在は地方自治体向けのコンサル業務にかかわる私・まゆが、内部管理オンリーの職員がなぜ使えないかについて、お話ししようと思います!

まゆ
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ちなみに、私まゆは、自治体時代、内部管理も事業課も同じくらいのバランスで経験しています!

一般に「内部管理=エリート部門」

一般に、地方公務員業界では、

  • 企画
  • 財政
  • 人事
  • 行政管理
  • 部局総務課

あたりがエリートコースだと言われています。

それゆえ、将来有望な若手〜中堅職員の中には、上記のエリートコースばかりを歩んでいる事例が、様々な自治体で見られます。

内部管理オンリーの問題点とは

しかしながら、内部管理系の部署ばかりを歩んでいる職員の中には、どこかバランス感覚がおかしく、原課の職員とケンカばかりしている人が散見されます。

このような事象が起こる背景には、内部管理オンリーのキャリアしか歩んでいない職員に、次のような問題が生じやすいからだと考えています。

【問題点①】住民と直に接する経験をしていない

内部管理系の部署に務める職員は、日々の業務におけるカウンターパートが、同じ職場内の他部署職員になります。

財政課や企画課であれば、予算要求を持ってくる事業課や、部局総務課。

人事課や行政管理課であれば、人事異動や定員管理の調整にやってくる部局総務課。

そして部局総務課であれば、事業課と財政課・人事課等との橋渡し。

本来、地方公務員の仕事、地方自治体の仕事は、住民福祉の向上や地域の活性化なわけですが、そういった仕事の「お客さま」に相当するのは、当然にその自治体に住む住民です。

しかしながら、

内部管理部門の職員は、そういった「お客さま」である住民の声を、直に聞くことは、ほぼない

のが実情です。

その代わりに聞いているのが、立場こそ違えども、同じ「公務員」である他部署の職員の話ばかり。

住民の声を直に聞かず、職員の声ばかり聞いている職員は、いつしか自分が「住民のために働いている」「住民が納めた税金で、自らの給料が支払われている」ことを忘れてしまいがちです。

【問題点②】内部管理という「手段」が目的化してしまう

内部管理系の部署は、庁内の事業課に対して「査定権」「調整権」「審査権」を有していることが多いです。

財政課であれば、予算査定権。

企画課であれば、政策調整権。

人事課であれば、部局横断的な人事権や、時には懲戒処分権。

行政管理課であれば、定員管理権や組織改廃権。

部局総務課であれば、部局内において広く浅く、上記のような案件における生殺与奪権を握ることができます。また、部局内決裁の審査を部局長に代わって実質的に行うことも多く、「実質的な決裁権者」とも言われます。

こういった査定権・調整権等は、いうまでもなく、自治体全体のバランスをとりながら、住民福祉の向上、地域活性化等といったミッションを遂行するためのプロセスで必要になる事柄です。

言い換えると、「査定権・調整権・審査権は、政策目的を達成するための手段でしかない」ということなのですが…

こういった権限を有する部署に長く働き、こうした権限を行使することが当たり前になると、いつしかこうした権限を行使すること自体が目的化

してしまいます。

財政課は、事業の執行や政策効果の発現に意識を及ぼすことなく、予算を削ることそれ自体が目的に。

行政管理課も、同様に、組織数や定員を削ることが目的に。

部局総務課は、住民と直に接する事業課の苦労などには一切目配せせず、文書審査や決裁で重箱の隅をつつき、「決裁をスムーズに通させない」ことが目的に。

内部管理は、政策目的を達成するための「手段」でしかないはずなのですが、その「政策」を、事業を通じて実現した経験を持たない内部管理オンリー職員は、内部管理特有の権限を行使するうちに、いつしかその「手段が目的に」なってしまうのです。

【問題点③】原課を見下してしまう

そして、これが個人的には一番気になることなのですが…

内部管理系職員は、

  • 査定権などの「調整権限」を行使することができる
  • 内部管理系の部署は、一般にエリート職場だと言われており、そこに身を置けている

といった立場にありますので、庁内力学的に上下関係の「上」に立つことができます。

もちろん、この「上」は、与えられた職務・職責がたまたまそうであるだけなのですが、内部管理オンリーの職員は、庁内力学的上下関係の「下」を経験したことがない故に、

自らをエリートだと勘違いして、原課職員を見下す

という行動をとるパターンが、非常に多いです。

内部管理オンリー職員は、やがて「パワハラ管理職」に成長…

この点、現場と内部管理を適度な間隔で行き来している職員は、このあたりのバランス感覚をしっかり持てているのですが…

内部管理オンリー職員は、原課の気持ちが分からない上、自らをエリートだと勘違いしてしまっている

ので、早ければ3年〜5年ほどもすれば、やっかいなモンスター職員に堕ちてしまうのです。

こうして生まれた、原課を下に見下して、内部管理特有の権限を乱用するモンスター職員は、庁内的に見るとやっかいな職員なのですが…

一方で庁内キャリア的には、エリートロードを順調に歩んでいるという評価になってしまうので、こういう職員がやがて課長等の管理職まで上り詰めてしまうことも多いです。

そして、「見下し」「権限の乱用」だけでキャリアを構成してきた内部管理オンリーの新任課長は、いつしかパワハラ管理職として手に負えなくなってしまう…。

内部管理オンリー職員は、その職務遂行スタイルにも問題がありますが、昇任してパワハラ管理職になってしまう可能性が非常に高いのも、大きな問題だと言えるでしょう。

「内部管理オンリー職員」の具体例

それでは、私まゆが、過去に一緒に仕事をした、あるいはコンサルの中でかかわった「内部管理オンリー職員」について、何パターンか、ご紹介しようと思います。

【事例①】部局総務課⇒財政課⇒部局総務課⇒部局総務課長

新人のころから事業部局の総務課に配置。最初の、予算担当だった頃はまだ若さもあって、現場の声を聞く優れた総務課職員だったのですが…

部局総務課で人事を担当するようになり、人事権の行使に味を占めてしまいます

その状態で財政課へ異動し、上から目線で事業部局を論破するような査定を繰り返し、上司の覚えはめでたい一方で、現場からは「高圧的な職員だ」と陰口をたたかれるようになります。

その後、係長として、最初とは別の部局総務課へ異動。この頃には「パワハラ係長」としての名を欲しいままにしており、課内の職員を恫喝したりいじめたりしていたのですが、やはり係長としての仕事はよくできていたので、そのまま総務課長へ昇任

「あんな高圧的な職員が総務課長なんて…」

と、部局内にはとてつもない疲弊感が漂っています。

【事例②】部局総務課⇒行政管理課⇒部局総務課

こちらも、新人の頃から部局総務課へ配置。予算などの事務的なことを苦手にする職員が多い部局に、予算担当として配置された当該職員は、天性の頭の良さもあって自治体財務への理解を深め、部局総務課で大変重宝されていました。

そんな職員は、最初の人事異動で、行政管理課へ異動し、定員査定を担当することになります。ここで当該職員は、頭の良さをもつがゆえに、原課から上がってくるさまざまな増員要求の詰めの甘さを見抜くようになります。

そこで、当該職員的には、その「詰めの甘さ」が許せず、ハラスメント的な口調で原課や部局総務課に接するようになります。また、行政管理部門が必要とする法制執務についての理解も非常に深くなったのですが、現場を知らないがゆえに、判断基準が常に「杓子定規」となり、現場からの評判は非常に悪いものでした。

しかし、その「頭の良さ」が評価され、係長の立場で、最初とは別の部局総務課へ異動。

そこで人事担当になるのですが、「頭が良い」一方で「杓子定規」であるがゆえに、細かなミスが許せず、あらゆる決裁を嫌がらせのように止めたり、ちょっとした事務処理ミスで懲戒処分を人事課に上申したり、あるいは懲戒処分をちらつかせて職員を服従させようとするなど、非常に扱いにくい職員になってしまいました。

また、課内でも後輩や他係長に対して尊大な態度で振る舞うなど、目に余るモンスター職員に成り果ててしまっています。

こういう仕事ぶりについて、上司の総務課長に苦情を言っても、「奴は結果を出してるから」とかばう一方。(なお、この総務課長も内部管理オンリー職員です)

現場からの苦情は届くこともないまま、今日もこの職員は、重箱の隅をつついて決裁を止めたり、部局内を人事権で震え上がらせることに情熱を燃やしています。

こんな職員がのさばっているような部局では、部局内職員は萎縮して、よい政策などあげられようもあるはずがありません。

まとめ

以上、本日は、内部管理オンリーの職員が、いかに使えなくて、問題があるかについて、お話しいたしました。

優秀な職員に、さまざまな内部管理の部署を経験させたくなる人事上のテクニックは非常に分かるのですが、一方で内部管理しか知らない職員は、

  • 住民の声を直に聞く経験をしていない
  • 内部管理という手段が目的化してしまう
  • 原課の職員を見下す

といった問題が多くあり、この問題を解決しないまま内部管理の仕事を続けさせると、いつしか彼・彼女たちは役職者になって、パワハラ管理職への道を歩み始めてしまいます。

これを防ぐためには、

内部管理オンリーの職員を、できるだけ早く原課へ異動させる

これを徹底するしかありません。

内部管理を長く続けることで染みついてしまった

  • 「役所内部でしか通用しない内部管理ロジック」
  • 「自分は原課より立場が上だという誤ったエリート意識」

を、原課へ異動し、内部管理ロジックだけでは目の前の住民の相手ができないことを実感することによって、一刻も早く捨てさせるべきなのです。

おそらく、こういう「内部管理オンリー職員」は、どこの自治体にもいることでしょう。

そして、どこの自治体でも、こういった職員が成長とともにパワハラ管理職へと化けていっていると思います。

内部管理オンリーの職員は、この組織では認めない」。

こういう空気を役所内に醸成し、内部管理オンリー職員が悪目立ちするようになってきたら、速やかに異動させるような雰囲気を作っていく。

そうすることで、内部管理と事業現場のことをバランス良く理解した職員を多く育て、組織全体の政策形成能力を高めていくことができるでしょう。

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