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ペーパーレスに向いている職員用パソコン…どんなの?

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【この記事で分かること】

  • 役所におけるペーパーレス化の推進とは
  • 役所で使われている15インチノートパソコンの問題点
  • ペーパーレス推進に向いているパソコンとは
  • モニターの小ささが問題になる部署における解決策

皆さん、こんにちは!まゆの地方自治情報局(@mayumist_lg)です!

国・地方とも、パソコンを使って日々の職務を遂行するようになって、もう随分と経つようになりました。

そして今は、DX推進の流れもあって、役所においても、本格的な「ペーパーレス」の取組が進みつつあります。

しかし、この「ペーパーレス」、言うのは簡単ですが、実際に推進しようとすると、職員が使うパソコンの仕様によって、その使い勝手や実効力が大きく変わってきます

また、そもそも、役所は部署によって取り扱う業務が大きく異なっており、必要とされるパソコンの仕様も異なるといった課題もあります。

そうした中、役所が業務のペーパーレス化に取り組むには、どのような仕様のパソコンが必要になるのか…。

本日は、国と地方の両方で公務員を経験し、現在は地方自治体向けのコンサル業務にかかわる私・まゆが、役所業務のペーパーレス化に適したパソコンについて、考察してみようと思います!

まゆ
まゆ
今回の記事、役所を前提に書いていますが、役所以外の企業や団体などのペーパーレス化においても参考にしていただけると思います!
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そもそもペーパーレス化とは

ペーパーレス化は、役所に限らず、近年、多くの企業や組織が推進している重要な業務改革の一つです。

従来のオフィス環境では、業務に必要な情報や文書は主に紙でやり取りされ、ファイリングキャビネットや書類棚に保管されていました。しかし、この方式は多くの欠点を抱えており、効率性や環境への負荷、情報のセキュリティリスクなどが指摘されてきました。

ペーパーレス化とは、これらの課題に対処し、デジタル技術を活用して業務プロセスを改善する取組です。

具体的には、

  1. 従来の紙ベースの文書や情報を、PDFやDocuWorksなどといった電子フォーマットに移行し、
  2. デジタル化されたデータベースやシステム上で管理・処理する

ことを指します。

これにより、従来の紙文書の作成、印刷、配布、保管などの手間が削減され、業務効率が向上します。

ペーパーレス化のメリット

オフィス業務のペーパーレス化には、いくつかのメリットがあります。

まず第一に挙げられるのは、業務プロセスの効率化です。デジタル文書は瞬時に共有され、必要な情報を迅速に取得できるため、業務のスピードが向上します。また、データの検索や整理が容易になるため、従来の紙ベースの文書管理に比べて時間と労力を節約できます。

さらに、ペーパーレス化は環境への負荷を軽減することも期待されています。紙の生産には多くの資源が必要であり、印刷や処分に伴う廃棄物も大きな問題となっています。デジタル文書の利用は、これらのリソース消費や廃棄物削減に貢献し、環境への配慮が可能です。加えて、紙やトナーと言った消耗品のコスト削減も期待できるでしょう。

さらに、セキュリティ面でもペーパーレス化は優れています。デジタル文書はアクセス制御や暗号化などのセキュリティ対策を施しやすく、情報漏洩や紛失のリスクを低減します。また、バックアップや復旧も容易に行えるため、災害時の業務継続性の確保にも役立ちます。

オフィス業務のペーパーレス化は、これまでのビジネス環境に革新をもたらす重要な取り組みであり、今後さらに普及が進むことが期待されています。

ペーパーレス化のデメリット

ペーパーレス化には多くの利点がありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。

まず第一に挙げられるのは、デジタル化に伴う技術的な依存度の増加です。デジタル文書やシステムは、正常に機能するために適切なハードウェアやソフトウェア、そしてインターネット接続が必要です。

もしもシステムに障害が発生した場合、業務の停滞や情報のアクセス障害が生じる可能性があります。

また、デジタル文書は、データ漏洩のリスクが高いことにも留意が必要です。セキュリティ対策が不十分な場合、機密情報が不正にアクセスされる恐れがあります。また、電子機器の紛失や盗難によっても情報漏洩のリスクが高まります。これに対処するためには、強固なセキュリティ対策と従業員の教育・意識向上が必要です。

さらに、ペーパーレス化にはデジタルデータの永続性の問題もあります。紙文書は適切な保管方法さえあれば長期間保存することが可能ですが、デジタルデータは技術の進歩やフォーマットの変更によって取り扱いが困難になることがあります。古いフォーマットのデータを読み込むためのソフトウェアやハードウェアがなくなると、重要な情報が失われる可能性があります。

まゆ
まゆ
たとえば、フロッピーディスクとかZIPディスクとかに保存されたデータ、今ただちに見るのは結構難しいですよね…。
ZIPディスクとか、そもそも知らない人も多いみたいですし…。
たかし
たかし

さらに、ペーパーレス化は、今までの業務に慣れてきた職員にとって、なかなかなじみにくいと思われてしまう可能性もあります。特にベテラン職員など、長年の慣習によって紙ベースの仕事の仕方に慣れてきた人たちに、今からペーパーレスに切り替えてもらうには、かなりの労力と協力が必要になることでしょう。

一般的な役所のパソコン=15インチノート

さて、そうしたペーパーレスの取組において、重要なカギとなるのが、各職員が業務で使うパソコン端末です。

一般的に、役所の職員個人向けパソコンといえば、15インチの大型ノートパソコンが定番になっています。

その理由としては、いくつか考えられます。

本体+モニターで考えると安価

役所の備品については、地方自治法の規定を持ち出すまでもなく、最少の経費で最大の効果を上げられるように選ばなければなりません。

そして、パソコンのモニターは、できるだけ大きい方が作業能率が上がるということも、また事実です。

こうした点を踏まえてみると、本体とある程度のサイズのモニターを一体的に揃えることができる大型ノートパソコンは、実は地方自治法的な視点に立つ限りにおいて、非常に合理的であったりします。

職員すべてのパソコンにおいて、本体とモニターをバラバラに買うと、当然コストも上がりますし、それらをつなぐケーブルも必要になります。また、コンセントも2つ必要になってきますので、フロアの配線管理も複雑になり、管理コストの面でも課題が生じます。

ですので、コスト・ベネフィットのバランス面だけに着目すると、デスクトップより大型ノートパソコンを選ぶというのは、ごく自然なことなのです。

ある程度の画面サイズが確保できている

先ほどの話とも重複しますが、ディスプレイのサイズは、業務能率に直結します。

本来であれば、デスクトップPC+外付けモニターがもっとも能率的な作業環境を構築できるのですが、それはなかなかコスト面で難しい…

となると、大型のノートパソコンは、相対的に大きな画面を使って仕事ができるようになるので、「これ1台で話を終わらせたい」という視点においては、非常に合理的な選択ということになるのです。

一応持ち運びもできる

また、大型ノートパソコンは、大型とは言えノートパソコンなので、一応持ち運びをすることも可能です。

なので、たとえばペーパーレスの会議において、この大型ノートパソコンをもちこんで、画面で資料を確認しながら議論を行うことも、できる・できないでいうと、一応はできます。

多くの場合タッチペン等には非対応ですので、メモを取ったりとかいったきめ細かさはないですが、それでも最低限のペーパーレス会議には対応できるといえるでしょう。

とはいえ…ペーパーレスの取組には向いていないパソコン

このように、15インチの大型ノートパソコンは、役所が従来型の業務に取り組む上では、費用対効果の観点からも非常に合理的な選択ではあったのですが、一方でペーパーレスの取組にグイッと舵を切ろうとしたとき、このパソコンが本当に適しているかというと、個人的にはかなり疑問を感じます。

持ち運びが出来るとはいえ、3〜4kgのパソコンはさすがに重い…。

タッチペンが使えないので、会議資料にメモを取ることが出来ない…。

そもそもモバイル使用が想定されていないので、バッテリーの減りが早い…。

せっかくペーパーレスの取組を頑張って進めようと思っても、そのツールの使い勝手が悪いようでは、取組のメリットも感じられなくなりますし、ひいては

「やっぱり従来型の仕事の方がやりやすいじゃん!」

となって、改革が道半ばで終わってしまうことにもなりかねません。

ペーパーレス化に適したパソコンとは

では、そういったペーパーレスの取組に適したパソコンというのはどのようなものでしょうか。

少し、考えてみました。

持ち運びが容易な軽量タイプ

ペーパーレス化が進んだ職場では、会議資料の紙配布は省略され、各自が自分のパソコンで資料を見ることが基本となります。

ですので、デスクトップパソコンは論外ですし、ノートパソコンであっても大型のものは持ち運びに苦労するので、あまり向いているとは言えません。

おおむね12〜13インチ前後で重量2kg以内の、モバイル型ノートパソコンが向いているといえるでしょう。

タッチペン等でアナログ風の書き込みが可能なタイプ

また、配布された資料の中に、メモを書き込みたいというニーズは、紙ベースで会議を行っていた頃の流れもありますので、非常に高いものと考えられます。

こういったニーズに応えられるのが、タッチペン対応ディスプレイを搭載したノートパソコンです。

タッチペンがあれば、PDFファイル等の資料に、手書きでメモを残すことができますので、ツールこそペーパーレス化しているものの、アナログ風の仕事の進め方を維持することは可能です。

特に最近は、PowerPoint等で、空白をふんだんにつかいながらデザインされた資料を目にすることも多くなりましたので、その空白部分にメモを取りたくなる気持ちは、とてもよく理解できます。

まゆ
まゆ
その手の資料は、内容もホントに大事なことしか書いてなかったりしますから、メモが必須なんですよね。

Microsoft Officeが使えるWindowsマシン

と、このような機能の必要性を見ていくと、

「そしたら、iPadとかがいいんじゃね?

とか、

iPadは高いから、Chromebookがいいんじゃない?

とかいう発想に至りそうなものですが、一方で、普段の業務はWordやExcel、PowerPointといったMicrosoft Officeを使って行うことになるでしょうから、それらを十分な互換性を保てない環境で動かすことは、現実問題として困難です。

なので、安易にタブレット系のガジェットに行くのではなく、しっかりしたWindowsマシンでないと、公務には耐えられないのです。

これらを満たすパソコン=Surface

と、これらの論点を見ていくと、上記の要素を満たすパソコンで真っ先に思いつくのは、MicrosoftのSurfaceになります。

Surfaceの上位モデルであれば、Windowsマシンとして公務に耐えうるスペックを十分に有しつつ、可搬性や手書きメモへの対応も可能。

ペーパーレス化を進めていく上で、これ以上ないパソコンだと言えるでしょう。

なお、タッチペン対応のパソコンということになると、レノボのYogaやIdeaPadなども候補に入ってきます。価格面ではSurfaceより安くなりますが、過去にいろいろあって、役所で導入するとなると、躊躇する空気はありそうですね…。

大画面モニターが必要な所属は外付け対応を

ところで、ここでSurfaceに代表されるような、どちらかというとモバイル用途に重きを置いたパソコンを紹介すると、

役所の事務仕事がそんな小さいディスプレイでできるわけないだろ!

というような批判的なご意見をいただくことがあります。

そのお気持ちは、よく分かります。

実際、私も役所時代に財政課を経験していますが、当初予算の査定結果の全体集計とか、決算統計とか、普通交付税基礎数値の管理とか、そのような財政課の作業を、12〜13インチ程度の小さなディスプレイで行うことは、とても無理があることは、自分の実感としても、よく分かっています。

でも、その「無理があること」が、12〜13インチのディスプレイが15インチになったところで、別に解決なんかするはずもありません

財政課の業務においては、15インチディスプレイですら無力です。

結局、そういった本格的な財政系の作業などを快適に行おうと思ったら、外付けの20インチ以上のディスプレイを導入するしかありません。

実際、多くの自治体の財政課職員は、自腹で外付けモニターを持ち込んでいるという話も聞いたことがあります。

財政課に限らず、所属によっては大型ディスプレイがないとまともに業務ができない部署はいくつかあると思いますが、そういった部署においては、別途職員定員分の外付けモニターを用意するなどして、十分に解決は可能だと思います。

たかし
たかし
GISとかCADとかも、モニターが大きければ大きいほど仕事の能率が格段に上がりますね。
まゆ
まゆ
個人的には、大型モニターが必要な部署に、それを揃えられる予算も措置できてないような自治体は、ペーパーレスに手を出すべきではないと思います。

まとめ

以上、本日は、ペーパーレス推進における、職員の最適なパソコン環境について、考察いたしました。

多くの自治体において、職員個人のパソコンは、15インチの大型ノートパソコンが用いられることが標準的になっています。

これは、従来型の公務を推進する上で、費用対効果の視点にたつと非常に合理的な選択ではあるのですが、一方でペーパーレスの取組において求められる仕様を満たせていないため、仮に本格的にペーパーレスを進めていくというのであれば、違うパソコンに切り替える方がベターです。

その際には、やはりタッチペンが使えて可搬性の高い、Surfaceのようなパソコンが一番適しているのだろうと考えています。

なお、可搬性の高いノートパソコンについては、モニターが小さくて部署によっては使い勝手が悪くなるという課題もありますが、そういった部署においては、別途外付けモニターを用意することで解決が可能です。

一時的には投資が必要になるかもしれませんが、一方で紙やコピー機・プリンタートナーの使用量を減らすといった効果も期待できる、このペーパーレスの取組。

本気で取り組む気があるのか、それとも流れで「なんとなく」やっているだけなのか…。

そのあたりの自治体の決意の強さが、「ペーパーレス推進にあたって、どのようなパソコンを職員に使わせているか」に表れてくるような、そんな気がしています。

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