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阪神・オリックスの優勝パレード、なぜ警備はボランティア扱い?

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【この記事で分かること】

  • 阪神・オリックスの優勝パレードの警備の問題点
  • なぜ大阪府では優勝パレードの警備がボランティアなのか
  • 自治体が実行委員会に参画するイベントへの従事は公務であるという事実

皆さん、こんにちは!まゆの地方自治情報局(@mayumist_lg)です!

阪神・オリックスの優勝パレードについては、関西地区を中心に、「スポーツ界の明るい話題」として親しまれているはずなのですが…

大阪府と兵庫県が、万博を絡めたことによって政治問題化してしまい、多くの人が「素直に祝えない」という状況に陥ってしまいました。

その状況の最たる例が、「クラウドファンディング失敗問題」なわけですが…

これと同様に話題になっているのが「パレードの警備がボランティア扱いとなっている問題」です。

なぜ、自治体が絡んでいるイベントの警備が、ボランティア扱いなのか。

そして、警備をボランティアにしていることについて、どのような問題があるのか…。

本日は、国と地方の両方で公務員を経験し、現在は地方自治体向けのコンサル業務にかかわる私・まゆが、「阪神・オリックスの優勝パレード警備問題」について、お話ししようと思います!

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阪神・オリックスの優勝パレードとは

これは別記事にも書いているので、おさらいになりますが…。

令和5年のプロ野球は、冒頭にも書いたように、阪神タイガースとオリックス・バファローズという、関西2球団がそれぞれリーグ優勝を果たし、関西は大いに盛り上がりました。

そこで、阪神タイガースの本拠地である甲子園球場が立地する兵庫県と、オリックス・バファローズの本拠地である京セラドームが立地する大阪府とが連携し、両チームのパレードを、大阪府と兵庫県の両方で行う計画が持ち上がりました。

一応、立て付けとしては「阪神=兵庫県」「オリックス=大阪府」となってはいるものの…

「関西の人気球団」である阪神タイガースは、もちろん大阪府にもたくさんのファンがいます。

そして、オリックス・バファローズも、前身のオリックス・ブルーウェーブは、「がんばろうKOBE」を掲げて阪神大震災からの復興を応援したことで、兵庫県民にとってもかかわりの深いプロ野球チームです。

この2チームが、そしてそれぞれの本拠地を置く大阪府と兵庫県とが連携し、令和5年11月23日に合同で優勝パレードを行うことになったのですが…

このパレードに、大阪府と兵庫県が不用意に万博を絡めてしまったことで、

阪神とオリックスの優勝を政治利用するな!
せっかくのおめでたい話に万博を絡めないで!

と、関西の住民から総スカンを食らい、財源であるクラウドファンディングも全く振るわない状況になってしまったのです。

「パレード警備=職員ボランティア」問題も勃発

そうでなくてもケチのついてしまった、この「阪神・オリックス優勝パレード」ですが、これに加えて、もう1つ新たな問題が発生してしまいました。

それが、「パレード警備=職員ボランティア」問題です。

今回のパレードは、大阪・御堂筋と神戸・三宮という、大阪と神戸の中心地で行うことになります。

そこに、阪神とオリックスという地元人気球団の選手を集めるわけですから、当然にかなりの混乱が予想されますので、警備が必要となるのですが…

大阪府は、この警備について「大阪府職員の無償ボランティア」という形で対応することを発表

しました。

無償ボランティアとはどういうことかというと…

  • 職員としての勤務ではなく、プライベートで行う活動
  • 当然、超過勤務手当も発生しなければ、代休・振休の取得も不可
  • 万一の事故があっても公務災害は認定されず
  • 交通費も自腹

ということになります。

大阪府知事が音頭を取り、実行委員会にも参画し、大阪府の府民文化総務課に担当部局がセットされているにもかかわらず、これに従事する職員は、勤務でなく、自主的なボランティア扱い…

このことがまた、大きな物議を醸しています。

大阪府職労の申し入れ

大阪府関係職員労働組合…略して大阪府職労は、本件について

  1. 警備はボランティアでなく専門の事業者で行うこと
  2. 府職員を配置する場合は業務として取り扱うこと
  3. ボランティアの募集で執拗な声かけをしないこと
  4. ケガ等をした場合は公務災害として取り扱うこと

という4点を申し入れました。

一般に、公務員の労働団体の申し入れというのは、世間的には反発を受けがちなのですが、今回の件に関しては、どう考えても

「大阪府庁としての業務であるにもかかわらず、職員に勤務の形を取らせていない」

という、ブラック企業も真っ青のようなことをしているため、さすがに世論も大阪府職労の味方についています。

「自治体が実行委員会に参画するイベント」は通常公務扱い

おそらく、今回の優勝パレードについて、大阪府側の立場に立って考えると、

  • 大阪府が公金を支出していない
  • イベントとしては実行委員会が主催している

ということで、公金を支出することはできない…と整理したのだと思います。

しかしながら、この実行委員会のメンバーを見てみると…

【主催】

兵庫・大阪連携「阪神タイガース、オリックス・バファローズ優勝記念パレード」
~2025年大阪・関西万博500日前!~ 実行委員会

(公益社団法人 関西経済連合会、大阪府、兵庫県、大阪市、神戸市、大阪商工会議所、一般社団法人 関西経済同友会、神戸商工会議所、一般社団法人 神戸経済同友会、公益財団法人関西・大阪二十一世紀協会)

と、大阪府・大阪市は、実行委員会のメンバーに、しっかりと名を連ねています

一般に、地方自治体が実行委員会のメンバーに名を連ねているということは、自治体の仕事として実行委員会にかかわっているわけですから、

実行委員会の一員として取り組む業務に職員が従事する場合、それは公務として整理される

ということになります。

こういった事例は、たとえば地域のお祭りなど、枚挙に暇はないことでしょう。

そして、自分が属する部署の業務に直接関係ない場合であっても、たとえばイベントの主管課長から各所属長宛てに応援依頼の文書を出すことによって、すべての部署の職員に「公務」という位置づけを付与することができるのです。

まゆ
まゆ
私も、自治体職員時代、職務として休日のお祭りの道案内役に従事し、代休を取得した経験があります!

なお、同じく優勝パレードが行われる兵庫県・神戸市では、大阪府とは違い、公務としての整理がなされています

斎藤知事も久元市長も総務省出身なので、地方公務員制度的に理屈の立たないことはプライドが許さないのかもしれませんね。
たかし
たかし

まとめ

以上、本日は、阪神・オリックスの優勝パレードにかかる警備への従事についてお話しいたしました。

兵庫県は、公務として職員が警備に従事することができている一方…

大阪府では、どういう理由かは分かりませんが、職員をボランティア扱いで従事させるという、地方公務員制度的にも労務管理的にも意味不明の対応がとられています。

大阪府は、何しろあれだけの規模の自治体なわけですから、優秀なスタッフが揃っているはず。

にもかかわらず、おそらくトップダウンの政治的な判断で、理屈の通らないことをさせられている…。

先日のクラファン問題でも触れたように、大阪府・大阪市は、こと万博のことになると、冷静な状況判断力を失って、理屈の通らないことをしてしまいがちです。

今回の件は「阪神・オリックスの優勝パレード」という、多くの人が感心を持つ出来事がきっかけとなっているので、一般ニュースでも大きな話題になっています。

この話題性の裏から見える、大阪府・大阪市の地方自治的な問題点…。

今後、他にも出てくることが予想されますので、地方自治に関心を持つ者として、引き続き、注視していこうと思います。

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