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地域活性化

サザエさんのオープニング、自治体はどうやって調整する?

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【この記事で分かること】

  • サザエさんのオープニングの歴史
  • サザエさんのオープニングに関する庁内調整
  • サザエさんのオープニングに関する情報管理

皆さん、こんにちは!まゆの地方自治情報局(@mayumist_lg)です!

サザエさんのオープニング。日本人なら、だれでも一度は見たことがあると思います。

「サザエでございまーす!」

の掛け声のあとに流れる、おなじみのオープニングテーマ。これを耳にすると、「ああ、週末が終わってしまう…」となんとも物悲しい気分になったりもしてしまいますが…

一方で、このオープニング、地方自治・地域活性化の視点で見ると、注目に値することがあります。

それは、

「毎月、各都道府県の名所が、サザエさんのキャラクターとともに紹介されている」

ということ。

このサザエさんのオープニング、どのように自治体と調整されて、制作されているのか…。

本日は、国と地方の両方で公務員を経験し、現在は地方自治体向けのコンサル業務にかかわる私・まゆが、サザエさんのオープニングについて、お話ししようと思います!

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サザエさんのオープニング

アニメ「サザエさん」の歴史は古く、なんと1969年(昭和44年)10月にまでさかのぼります。

そして、おなじみとなった、各地域の名所がオープニングで紹介されるようになったのは、1974年。

初期のころは北陸・九州・近畿などのブロック別にテーマ設定がなされていましたが、少しずつターゲットは狭くなり、2000年に長野県が取り上げられたことを皮切りに、都道府県単位での制作がなされるようになりました。

そして、現在は都道府県単位でオープニング映像が流れるようになっています。

エリアが狭くなったこと、また放送回数を重ねたことにより、映像で取り上げられる箇所も、いわゆる「定番」の場所だけでなく、「知る人ぞ知る」、いわばニッチな地域資源なども増えてきた印象があります。

制作の流れ…キーになるのは「自治体」

さて、このサザエさんのオープニングなのですが、どのように制作されているのでしょうか。

実はこれ、

制作会社と都道府県・市町村等とが協議・調整してつくられている

のです。

具体的な流れは、こんな感じです。なお、以下の記事は、いくつかの自治体にインタビューをする中でまとめています。

1 制作会社から自治体にオファーがある

まずはじめ、サザエさんのオープニングで自治体が取り上げられることが決まると、制作会社と自治体との間で協議が始まります。

自治体でこの話の主担当になるのは、都道府県の広報担当課や観光担当課、あるいは地域活性化担当課が一般的ですが、業務多忙な時期にこの話が舞い込むと、業務の押し合い現象が生じることもあるようです。

また、後述する案件の選定に際して、市町村の意見を聞くこととなった場合、「市町村の振興」の要素で読んで、市町村担当課で処理する事例もあると聞いたことがあります。

なお、この話、カウンターパートがマスメディアになるので、内部調整を他の部署が行っていたとしても、制作会社との窓口だけは広報担当課で行うこともあります。

2 自治体の担当課が候補箇所を選定

都道府県内で担当課が決まったら、候補箇所の選定に入ります。

広報担当課や観光担当課であれば、サザエさんに限らず、一般的にメディアからこの手の「地域資源・観光資源の紹介」系のオファーが来たときに、通り一遍の対応ができるようなネタがあるでしょうから、それらのネタを組み合わせて、候補箇所を選びます。

なおその際、

  • 前回当該都道府県が放送されたとき、どのような場所が選ばれているか
  • 検討時点におけるオンエアでは、どのような場所が選ばれているか

についても意を用います。

また、都道府県レベルで候補箇所を選定してしまうパターンもあれば、市町村から案件を募集し、その結果を踏まえて都道府県で先行するような進め方をしているところもあると聞きます。

この手法であれば、都道府県レベルではなかなか気づきにくく、目の付け所が良い地域資源をピックアップできるメリットがありますが、一方で選ばれなかった市町村からは不満が出るため、一長一短があるイメージですね。

3 自治体担当課と制作会社が協議

このようにして、まずは自治体としての候補地を選定した後に、制作会社にそれを示して、具体的にどこを選んでいくかの協議に入っていきます。

もちろん、自治体としては政策的意図を込めて、アニメ化してもらう場所・地域資源を選定したつもりなのですが、一方で制作側には制作側としての思いがあり、

  • サザエさんを登場させるにふさわしいか
  • オープニングのクオリティを維持できるか

などの視点から、自治体案に対して難色を示すこともあり得ます。

それぞれの立場がありますので、どちらが正しいかは一概には言えませんが、いずれにせよこういうプロセスを経て、最終的に自治体側と制作会社側とで候補地の選定が決着します。

4 自治体でプレスリリース

こうして場所が決まり、そしてアニメ映像の制作が終わって、いよいよオンエア…となると、自治体側はプレスリリースを行います。

このプレスリリースについては、おおむねオンエアの1週間前くらいから行うことが多く、逆に言うとそれまでの間は、サザエさんの話が来ていること自体、庁内で「取扱注意の情報となります。

非常に話題性の高い案件であるため、情報管理は徹底されている印象です。

まとめ

以上、本日は、日本で暮らしていれば誰もがおなじみの「サザエさん」について、そのオープニングで流れる地域の紹介について、お話しさせていただきました。

サザエさんのオープニング、さまざまな都道府県の、さまざまな魅力が紹介されていることから、自治体にとっては非常に魅力的な広報媒体になります。

この案件が来ると、自治体内部で「どの部署で受けるか」「どのようなコンテンツを選ぶか」で議論が白熱したり、制作会社との調整に苦労したりと、いろんなことが起こります。

一方で、そうした苦労を乗り越え、午後6時30分、フジテレビ系列の放送局にテレビのチャンネルを合わせて、「サザエでございまーす!」の後に、自らの自治体の映像が流れたときは、格別の思いがあります。

そうそう何度も機会があるわけではありませんが、もしこの「サザエさん案件」を担当することになった方がいらっしゃれば、ぜひ前向きに、サザエさんと一緒に、地域の魅力を紹介する取組に、全力を尽くしてほしいと思います。

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